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10ヶ月、約一万キロ乗りました。
スポーツカーに必要なのはスペックではなく、快感の触媒としてのバランスなんだなぁと思いました。

「快感の触媒」という例えはカメラにも当てはまると思います。
スペックシートには現れない「操作する悦楽」を持つボディやレンズは確かに存在します。GRシリーズやFujiのX-E3はアウトプットとしてのデータ以上に操作や握った時の感触が心地よいボディでした。ジョブズ氏の「美しく心地よいものに人は触れたくなり、触れられる事によって整備は洗練されていく」というポリシーは普遍的価値観でしょう。
ライカも快感触媒だけを目指しているメーカーと言えます。創業時の「永遠に動く機械」というポリシーはデジタル化によってなくなりましたが、シャッターやダイヤル類の感触、ピーキー過ぎるレンズ特性は空冷時代の911のようにアメリカと異なる属人的工業製品の魅力がありますね。

なんとなくですが、近年日本の映像作品が海外で注目されているのも、ガラパゴス的快感触媒の魅力なのかもしれません。日本の90年代のスポーツカーが高額で取引されてるのも同じ。合理を超えた狂信的こだわりと無駄さに粋に感じる職人性。
日本産業オワコンと言われて久しいですが、西洋的美徳の擬態が剥がれて、隠したかった剥き出しの時代遅れと思っていた部分が評価されてる的な。ばけばけの怪談のように。日本がオワコンとも素晴らしいとも思いませんが、自分たちの剥き出しの裸体をありのままに受けとめることは大切なのかもしれません。他文化と折り合えるはコスモポリタンな発想よりも、土着的発想の方が向いてる気がします。神話や感情は文化を超えて共通ですから。

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グルドン

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