CASIO CT-S 1000Vのこと大体わかった
一言で表すなら「カシオトーンを普及帯価格シンセサイザーとする初心者向き電子キーボード」ですね
これ1台あればぶっちゃけDTM初心者が音源でやりたいこと全部できる構成です
microUSBおよび付属のBluetoothモジュールによってデスクトップコンピュータおよびスマホと有線/無線接続できるので、デスクトップコンピュータもしくはスマホへDAWやMIDIシーケンサ環境が導入してあれば直ぐさまにDTMを開始できます
ドラムセット・SFXセットを含む802種類というプリセット楽器音色、22種類のボーカルシンセシスプリセット、246種類のプリセットリズムパターン、150種類のプリセットアルペジオという膨大なプリセットに加えて、2つのサンプリングバンクを持つ
最大同時発音数64で最大音色パート3で、パート毎にエフェクトや限定的ながら発音エンベロープ調整が可能(最大3つまでの楽器で最大64個の音を鳴らすことが可能で楽器ごとにエコーなどが掛けられるということ)
従来のカシオトーンと比較して最も良い部分が本体に据え付けられているK1〜K3の3つのノブで、左側の小さなK3ノブにはモジュレーションがデフォルトで割り当てられていますが固定ではなく、この3つのノブはモジュレーションの他にもカットオフやアタックタイム、ポルタメントタイム、イコライザーなど好きに割り当てることが可能
当然ながら一般的なシンセサイザーと比較してノブやホイールの数が少ないので音色調整のたびにメニューへ潜るという面倒な部分はありますが、従来のカシオトーンにイメージされる音色の調整がほとんど出来なくてPCMサンプリングされた音を鳴らすだけ、というわけではないしっかりとシンセサイザーとしての機能が搭載されています
一般的なカシオトーンよりも多機能でメニューへ潜るという難解さがあるため小学生以下には向かないけれども、大人を含む中高生以降で音楽活動はじめたい人へ非常に向いたカシオトーンであると思います
前述しましたが膨大なプリセットとボカロのようなボーカルシンセシス機能が載っており、これが55,000円で買えるわけですからDTMソフトとソフト音源をイチから揃えるよりも圧倒的に安い
「欠点はあるのか?」と聞かれればどんなものでもそうですがYESと答えます
まずシンセサイザーと言ってもアナログシンセサイザーのように、サイン波やノコギリ波を選択してエンベロープを調整してLFOでピッチを揺らしてエフェクトかけて、そのように作ったVCOを複数重ねて・・・みたいなことは出来ません、当然FMシンセサイザーみたいなオペレータがどうのも無理です
基礎となる設計は従来からイメージされるカシオトーンであり、プリセット音色を選んで様々な調整を加えるというのが利用スタイルになります
しかしそもそもCT-1000Vが想定しているであろうユーザ層は初心者で、802種類の膨大なプリセット音色があれば「こんな音色が欲しい」にはほぼ対応できるかと
ただ、カシオトーンの基礎設計の兼ね合いでそうなってるんでしょうけどエンベロープジェネレータはアタックタイムとリリースタイムしかなくて、ディケイタイムとサスティンレベルが無いのはちょっと寂しいところ、わかりやすいですけどね
前述しましたがノブが少ないのでメニューに潜る面倒くささも欠点の1つです