自分の中でライフタイムトップだと思っていたGoTと並ぶ傑作でした。
まず驚いたのは合戦のシーンが一切なかったこと。GoTも会話劇でしたがそれ以上にそぎ落とし切っている。ここまで思い切ったミニマルさだとは思わなかった。
ガラシャ様の菩提寺、高桐院が登場したのは本当に驚きました。学生の時からもっとも好きな禅寺。劇中では戸田家の江戸屋敷として使われていました。広松が鞠子様に茶をたてた茶室と庭です。
ガラシャ様は歴史的に謎が多い人物ですが、この寺から思い描くガラシャ様そものもでした。
フィクションですが、脚本も演技も歴史、というか日本文化への敬意にあふれており、このレベルの時代劇は黒澤の「乱」ぐらいしか思いつきません。乱も実質的に海外映画みたいなものなので、歴史ドラマは複数の視点の交差点で傑作が生まれるのかもしれない。
ぜひ一度、高桐院に訪れてみてください。この映画の様々な要素が感じ取れるはずです