シンウルトラマン 2回目の印象 IMAX
台詞の輝きで強引にストーリーは生きる。
「神の前では人間なんて無力」
「本当にすごい事は滑稽に見えるのかもしれない」
初代が原点にして至高である理由は、最大の危機を唯一人間の叡智で解決した、ということに尽きる。
マーベルのスーパーヒーローが苦手なのは、ヒーローと一般人に明確な区別があること。メフィラスの言う「人類の上位存在としてのヒーロー」
人間は生存競争の中で庇護者をいただき、そして庇護者はいつしか個からシステムとなった。庇護は安定をもたらすが可能性を摘む。そして進化は常に安定が崩壊した状態で発生する。
終盤、なぜか昨年他界した父を思い出した。自分にとって父はウルトラマンのような絶対の庇護者だったのかもしれない。
だからシンジの台詞「私も君たちと同じ、生命体だ」に思わず涙がこぼれた。
そして同時に、この台詞は過去の特撮、アニメーションを含めた空想作品の創造主たちへのラブレターであり、独立宣言なのかもしれない。
「受け取り」「手渡し」「さらに紡ぐ」
の繰り返し。神々のような先人たちも自分達もまた同じ人間。