照明ハウツーなどでよく見る「黒い網」は何のためにあるのか?と言えば、余計な光の拡散を防ぐためにある
照明の用法に直接光と間接光があり、直接光は堅くい影が生まれ、間接光は柔らかい影が生まれるという傾向がある
間接光は天井にバウンスさせたりすることで実行するのだけれど、実はその際に被写体から見て光源が視認・認識できる状況は直接光のように働くことがある(2枚目の画像)
しかも間接光は天井バウンスなどの環境で生成しているためホワイトバランスはバウンスさせるものの色味によって変化するのだけれど、光源が直接光として働くということはホワイトバランスの違う光源が複数存在することにも繋がり、ホワイトバランスの制御が難しくなりあまり良くない
そこで黒い網、つまりは「ハニカムグリッド」を装着することで光源から漏れ出す直接光を防いで純粋な間接光のみを生成するよう試みる、というのがハニカムグリッドの役割
逆に言えばハニカムグリッドは「光の拡散を防いでしまう」ため、光を拡散させたいときは使用を控えたほうが良いこともある
例えばディフューザーは光量が落ちてしまうものの光源の口径よりもディフューザーによって仮想的に光源の口径を大きくすることで影を柔らかくする道具だ
天井バウンスなどの間接光も光源を大きくすることがそもそもの目的であり、光の拡散は光源を大きくすることへ繋がる
すなわち、ハニカムグリッドは使用時と未使用時では未使用時の方が影が柔らかくなるので脊髄反射的にハニカムグリッド使っておけば良いってものでもなく柔らかい影を追求するならハニカムグリッドは使わないほうが良い
ハニカムグリッドは基本的に他の光を混ぜたくないとき、光の方向を制御するときに使用するものであるので状況に合わせて使うか使わないか決めよう