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おそらく人類史上もっとも科学へ影響を与えたであろうエイプリルフールのネタ「クロード・エミール・ジャン=バティスト・リットル」というものがある

そう最後にリットルが付くことからわかるように彼はリットル単位の元となった人物・・・という架空の人物だ

フランスでリットルという単位が制定された際に使われた単位記号は小文字の「l」なわけだけど、まぁどう考えても数字の「1」と混同されるという不具合があった

じゃあ大文字の「L」を使えば良いじゃないかという発想は誰でも起きるわけだが、アルファベット文化圏で大文字というか「大」は強調するというニュアンスがあるのが問題だった

例えば音楽の偉人バッハには「大バッハ」と「小バッハ」が居り、いわゆるバッハとしてイメージされるヨハン・セバスチャン・バッハが大バッハ、その大バッハの息子たちが小バッハ

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さぁここで大文字が採用される単位記号を考えてみよう、例えばボルト「V」やアンペア「A」、ニュートン「N」、ケルビン「K」、オーム「Ω」、ヘルツ「Hz」、ジュール「J」などなど科学史において偉大すぎる人たちばかりである

しかしリットルはフランスの伝統単位litronを元にしたもので偉人由来ではなく大文字を使うのは不敬ではないか?と小文字が採用されたという情緒あふれるものだった

それを笑いへ昇華し、偉人が居なければ架空の偉人を作ってしまえと「クロード・エミール・ジャン=バティスト・リットル」は1978年にジョークとして生まれた

ここまでは良かったのだが、なんと国際純正・応用化学連合という有力な国際科学会議が1980年の誌面上で事実と認めてしまうという事件が発生する(後日撤回される)

この事件からリットル表記問題は注目を浴び、国際度量衡総会も小文字「l」大文字「L」のどちらの表記でも良いとしていたため今日でもどちらでも良いということとなった

ちなみに日本では長らくリットルの単位表記に「ℓ」が利用されてきたが2011年度から国際標準に合わせ「L」とするように変更された

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グルドン

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