15年前のボイスドラマ製作ブームのこと 

約15年前ネットで小さなブームが起きていた

それが「ボイスドラマ製作ブーム」である

当時は既に「ゲーム製作ブーム」が飽きられ始め「ねとらじブーム」の萌芽が出てこようとする時期

この僅かな期間でのみ流行し、そして直ぐに忘れ去られてしまった流行である

推測でしかないけれどもゲーム製作は人材コストが大きく、いわゆる「エタる」ことが多発している中で、声役・シナリオ役・編集役の3役で済むボイスドラマは一定の需要があり求められたからこそ生まれたブームだった

そして「深夜アニメブーム」と共にメディアミックス作が増える中で、アニメ化前に「ドラマCD」化されることもよくあった時代なのでボイスドラマを作ることはオタクのクリエティビティを刺激した

ねとらじブームの際にオタクの中でマイクロフォン需要が高まったが、実はそのオタクのマイク需要黎明期を刻んだのがボイスドラマ製作ブームであった

そこで高い評価を受けたのがaudio-technica AT-VD3とSONY ECM-PC60だ。これらは後の「ニコ生ブーム」で"再発見"されることとなる

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15年前のボイスドラマ製作ブームのこと 

使用されるソフトの大半は「Audacity」もしくは「SoundEngine Free」で、ある程度の音声波形編集の知識があるものはAudacityを選択し、SoundEngine Freeは初心者向けとされることが多かった

これは当時のSoundEngine FreeよりもAudacityは高機能であったものの、MP3のLAMEエンコーダやVSTプラグインを利用する際に少々面倒な手順を踏まなくてはならず、低機能ながらも直ぐに使えるSoundEngine Freeは初心者に向くとされたためだ

更に言えば今も昔も変わらずPCマシン本体のマイク入力は低品質でノイズが乗りまくり、コレを消すためにAudacityのノイズ除去は非常に重宝されたという背景もある

当時のボクは編集役を担っており「唾液のクチャ音が入ってるから○○のセリフのとこ録り直してくれる?」などと言って声役を辟易させていたことをよく記憶している

· · SubwayTooter · 1 · 0 · 3

15年前のボイスドラマ製作ブームのこと 

その当時はあまり聴きもしないドラマCDをたくさん買い込み参考にしつつ、他の編集役がやっていなかった効果音の挿入や、今で言う立体音響的なパンによる擬似的な物体移動を表現した

特に当時はiPodなどの登場によりオタクの中でもヘッドフォン・イヤフォンブームが起きており、リスニングモニタ環境のターゲットをスピーカーよりもヘッドフォンなどに集中できたことが大きかった

立体音響的な表現は正直スピーカーとヘッドフォンでは調整の仕方が全く違い、更にはスピーカーの設置方法はユーザにより比較的大きな誤差があることから当時の自分の実力では現実に落とし込むには無理があった(ラップトップの低価格化によりラップトップユーザも多く居たので拍車を掛けていた)

今では「ASMR」としてジャンルを確立しているものの当時は真新しく個人的にはユーザの反応を見ることができる非常に楽しい実験場になっていた

そんなボイスドラマ製作ブームの記憶をココにちょっとだけ記しておく

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