北海道は史跡をあまり保存して来なかった土地なので、内地の歩けば史跡が出てくるという環境は非常に新鮮
ボクは実家が漁師、学生時代の専攻が海事だったこともあり、内地の船舶・漁具に関しては興味が尽きない
特に興味深いのは「農人舟(ノウニンブネ)」で、田畑がそれほど整備されていなかった北海道では見ない種別の船舶
用途は川によって農作物の輸送
現在でも川の通る平野部の農家の軒下を覗くと、農人舟を掛けておく設備の跡が見て取れる
農人舟は農水道が整備され、自動車が普及した現代では使われることが殆どなく、稀に床下へ保管していた農人舟を子孫が発見して「何故ここに舟が?」と驚くことがあるというのも面白い
農家の舟というのは現在ではロストテクノロジーであり、貴重な歴史的資料なのだ
個人的に農人舟は鵜飼いなどが使う鵜飼舟よりも魅力的だ
発展の著しい海洋系船舶に比べ、そもそも農作業の補助的な道具でしかない農人舟は古来の形を残しており、その技術が断絶したこともあって時間がそこで凍結したような面白みがある
農人舟は丸木舟に代表される単材刳舟から発展したいわゆるオモキ造りが殆どで、海洋系船舶が二枚棚構造などへ著しく発展していったのに対して、古い技術を残している点が非常に価値が高い
とまあこれ以上語ると止まらないので、ただ1点を語るだけでも内地の歴史は本当に面白いので、内地の皆さんは地元の図書館に行って郷土資料を読んでみましょう!w