なぜ矢崎総業?という前にインホイールモーターが抱える最大の課題に触れておかなければならない。
インホイールモーターはバネ下重量の増加などの自動車メーカーが嫌がる課題も多いが、最大かつ致命的な課題として給電ケーブルの金属疲労が挙げられる。EVのモーターは100kWなどの出力があり一般家庭の30倍以上の電流が流れる。大量の電気を流すケーブルは当然太くて固い。
その太くて固いケーブルをサスペンションの先と繋いで常時曲げるのだ。あっという間に金属疲労で折れてしまう。柔らかいフレキシブルなケーブルだと大電力は流せない。インホイールモーターが実験室レベルではうまく行くのは耐久性を無視できるからだ。