2011年3月11日、「観測史上3番目に強い地震」とそれに伴う巨大津波が東北を襲い、約2万人が死亡(ほとんどが溺死)、福島第一原発では、チェルノブイリに次ぐレベル7の重大事故となった。戦後、広島・長崎の原爆で核の恐怖を刻み込まれた日本で、再び「核の悪夢」が現実に起きた。
従来は人口減少・省エネで電力需要は減ると見込まれていたが、AI・データセンターの爆発的増加で予測は完全に崩れた。10年以内にデータセンターの消費電力は3倍の約60TWh(日本全体の電力需要の6%)に達する見込み。日本が国際競争に勝ち残るには「安価で安定した電力」が絶対条件となった。
反原発活動家は「どんな量の原発も許せない」と主張するが、政府・産業界は「地政学的リスク」「ロシア・中国が世界の原発市場を独占することへの危機感」「潜在的な核抑止力維持の必要性」まで考慮し、「リスクはあるが、それでも原子力が必要」と結論づけた。日本は「何かあったら壊滅的」という恐怖を知り尽くした上で、それでも原子力を選ぶという、極めて重い決断を下している。