虎に翼 #41-45 男は度胸、女は愛嬌? 感想
#41があまりにも辛かったので、続きを観るのが怖くてやっと追いついた。
この週のプロット、脚本、演出、音楽は日本的ドラマの大きな転換点であり偉大なマイルストーンになったのではないか?。
盤面を覆したのはお父さん最後の登場になった#42。#41で視聴者をあそこまで追い詰めて、虎ちゃんも能面のような表情だったのに、普通そこにコメディ要素ぶちこめる?脚本だけでなく音楽まで。視聴者の誰もが思っただろう。「あんな風に人生終えたい」悲しいのに笑える。笑えるのに楽しい。シェイクスピアは言った。「人生は悲劇と喜劇のごった煮である」 自殺した桂枝雀師匠は言った。「笑いは緊張の緩和」。おそらく、今のハリウッド映画が失いつつあるのがこの古典的作劇術なんだろう。日本映画は伊丹十三の例もあってこの機微を映像化するのに慣れている。
そして、日本人の戦争感を根底から変えた映画は「この世界の片隅で」だった。この作品のあとで映像作品での戦争の扱いは大きく変容する。イデオロギー闘争の道具から舞台装置としての神話へと。