お母さんの台詞
「わたしはあなたの幸せだけを考えて生きてきた」
社会的動物である人間は共同体に奉仕することで幸福を感じる傾向があるのは確か。
しかし、幸せを子供に預けていたお母さんは我が子の自我の目覚めに裏切られたと感じた。多くのひとが陥る幸せのパラドクス。我が子とはいえ他者は他者。
お母さんの自我をはじめて目覚めさせたのは怒りという煩悩。「我が子の幸せを作る」という漠然とした夢から「我が子を外敵から守る」という原始的な本能への変換。この時、お母さんは久しぶりに自分の衝動に従って行動した。面白い。「敵」の存在が自我を呼び覚ました。幸せを我が子に預けるのではなく、我が子の幸せを守るという主体的意思を生んだ。この瞬間、彼女は母から同志に変化したのかも
散財する時もそう。その幸せはひとが決めるものか?はたまた自分が決めるものか。