慣れるまでが大変ですが、慣れればSKK環境が構築されてないパソコンは使いたくなくなるレベルですよ
一般的に普及している日本語入力環境は「形態素解析(けいたいそかいせき)」という機能が搭載されています
これは変換時に文章の前後の関係性を解析して適切な言葉を絞り込みするというもので、同音異義語の多い日本語ではかなり高度な形態素解析を組み込む必要があります
例えば「せんと」という言葉は「遷都」「セント」「線と」のように同音でありながら意味が全く違う言葉はありふれてますよね
MS IMEや日本語IM(macOS)は高度な形態素解析によって適切な言葉の絞り込みをしようとしていますが知られている通りなかなかうまく言ってません
そこでATOKは形態素解析の高度化にある程度見切りをつけて言葉の辞書ライブラリに広辞苑を採用することで語彙力で勝負に出た日本語入力です
このアプローチは一部のユーザから評価を受けて今でもATOKは人気の高い日本語入力となってます
SKKは文節の区切りや単語、送り仮名の出現をユーザ自身へ能動的にココだ!と指定させることにより「遷都」「セント」「線と」を入力しわけることが可能です
しかもSKKは別ウィンドウを立ち上げず日本語入力中に辞書登録をその場で行って語彙力を高めるという言葉のライブラリが不足する問題へも立ち向かいました
更に言えばSKKはEmacsというプログラミング向けテキストエディタコミュニティでもともと開発されたということもありプログラミングと相性が良かったのです
SKKは形態素解析を搭載していないため一般的に普及している日本語入力とは全く操作感は違いますが、こういう発想の転換もあるんだなぁという勉強の意味でも知っておくと楽しいです
GoogleはATOKの成功例を参考にインターネット上の言葉を収集して語彙力を高めるというアプローチを行います。これがGoogle日本語入力です
その登場当初は新語やネットミームすら最速で網羅しつつも無料であったため当時の会話系コミュニティ(電子掲示板やチャット)で高い評価を得ます
しかし時代が経るとメンテナンスがされなくなり、いくら形態素解析へある程度見切りをつけているとは言っても限度はあるので誤変換が目立ち始めました
インターネットから収集するという都合上、言葉の辞書群にもノイズが混じってしまいよくわからない候補も出てくるようになっているのです
そこで再びメンテナンスを始めるという動きがあります
SKKはそんな形態素解析型日本語入力とはまったくの別アプローチによって変換精度を高めようとした日本語入力です
形態素解析は非常に難解かつ高度なプログラミングが必要であることは明白、上手く行かなければユーザへストレスを与える
ならば形態素解析を超高度コンピュータであるユーザ自身にさせたら良いんじゃね?と形態素解析自体を諦めて搭載しないという選択をした日本語入力なのです