アルト警察活動の一環でググり中に引っかかってきた1983年のInfoWorldのSmalltalkの記事が面白い。
https://books.google.co.jp/books?id=ADAEAAAAMBAJ&lpg=PA25&pg=PA25&redir_esc=y#v=onepage&q&f=true
AppleのLisaは(少なくとも同記事編集段階では)まだ発表されていなはずなのに、冒頭からジョブズのゼロックス訪問に触れていたり、発表間近のLisaを指しているとおぼしき言及があったりしてなんだか不思議な感じ。(調べたら同誌は前年5月にすでにApple“新マシン”の噂に言及していた→https://en.wikipedia.org/wiki/Apple_Lisa#cite_ref-markoff19820510_10-0 )
あとアルトと同じようにアラン・ケイらの暫定ダイナブックOS(Smalltalk)で *まさに動作している* 幻の可搬型PC試作機「ノートテイカー」(オッサンなら誰もが憧れた伝説のポータブルPC「オズボーン1」の元ネタ。ただし大幅な機能削減後に製品化されたオズボーン1と違い、PARCのノートテイカーはデュアル8086搭載でタッチセンサー付き画面、バッテリー駆動可能な超贅沢マシン)の貴重な写真も掲載されていて胸熱。
ジョブズが 1979年にゼロックスで見て、1980年代前半のLisa/Mac、同後半のNeXTSTEP(macOS の前身)をつくるにあたって二度にわたり影響をうけた※ パソコン試作機でワークステーションの始祖的存在でもある「アルト」が Mono(オープンソース版 .NET)を介し、macOS でもエミュレートできるようになった。https://github.com/livingcomputermuseum/ContrAlto/releases ちょっと感動。
(図はコミック『スティーブズ』第4巻・PARC編などでおなじみ、アルトの GUI OS のひとつでアラン・ケイらの暫定ダイナブック環境である Smalltalk-76 を動かしているところ。ディスクパックイメージは xmst76.dsk44 を使用)
Altoは実はタイムマシンだったんです。1984年のMac(とほぼ同じ性能のマシン)をその10年以上前の1973年に、しかし金をかけて作った。アラン・ケイたちはそこでGUIを含め、未来のパソコンのあり方を(最適化とかあまり考えずに)あれこれじっくり考えたわけです。Altoのこうした背景はVRの今後にもヒントになるんじゃないかなと思います。https://mstdn.guru/media/9gOXGTTQ-qyObYHPwKs https://mstdn.guru/media/szSPIS5Ek0ydzOytFuw https://mstdn.guru/media/jvXpERHcAlZLd2kQomk https://mstdn.guru/media/0AJV6wEEXV-QOzuDqdg
アラン・ケイ、アルト、GUI史(パクりパクられ)警察。
アルト向け暫定ダイナブックOSとして70年代に試作され以降、GUIやIDE、OOPやデザパタ・開発手法などを創出、今も https://pharo.org などとして進化を続け、主に開発環境として他者に影響を及ぼし続けているSmalltalkに興味を持ち、パーソナルコンピューティングの理想像やその歴史を紐解いて愉しんでいます。
参考:1973年に作られたゼロックスのアルトは「タイムマシン」!
https://www.slideshare.net/sumim/it2550-125876561/6