GoTは群像劇であるが、300年にも渡る王位を奪われたターガリエン家の生き残りのデナーリスが、祖先のルーツである隣の大陸エッソスでなんとか兄と生き延び、そして再び王位をとり返そうとする物語でもある。ただの少女であったデナーリスも兄の導きにより、大陸を支配するドスラク人の族長の妻になること、絶滅したはずのドラゴンを復活させたこと、奴隷解放運動や自由都市でのさまざまな経験を通して女王として成長していく。同じくサーセイを玉座から引きずり下ろしたい名家と連携することで、シーズン7でようやくウェスタロスに戻ってくることができ、シーズン8では全面戦争に突入、勝利を掴んだ。
ところが、実はターガリエン家の正統な王位継承者は他にいることがわかり…。

デナーリスが内に秘める気性の荒さは原作1巻からの設定であり、忠誠を拒否した者を焼き払ったところ等からも違和感はないが、一方で側近たちの意見にちゃんと耳を傾け、奴隷問題などの理想の世界を描こうとしていたのも確か。ターガリエン家の復活に尽力してきたデナーリスがこのままマッドクイーンの烙印を押され、没落していくのだとしたら非常に悲しい。どうなる最終回。