国税徴収法
ところで、徴収法は、国税の滞納処分における財産の差押えに関する通則として、同法第48条《超過差押及び無益な差押の禁止》第1項において、国税を徴収するために必要な財産以外の財産は差し押さえることができないと規定し、超過差押えを禁止しているが、債権の差押えについては、上記の特則として、同法第63条の規定により滞納国税の額にかかわらず全額差押えを原則としている。
これは、債権の性質上、その実質的な価値は名目上の額によって定まるものではなく、第三債務者の支払能力や抗弁権の有無、その他種々の事情に左右されるものであって、どれほどの債権額を差し押さえれば国税徴収に支障がないかをあらかじめ知り難いという債権特有の事情から、その全額を差し押さえることを原則とし、ただ、徴収職員が差押債権の実質的な価値を把握し、一部差押えによっても国税徴収に支障がなく、全額差押えの必要がないと認めるときには、一部差押えができることを認めたものと解される。
https://www.kfs.go.jp/service/JP/43/35/index.html