山父のさとり#2 散財力の高い童話
桶屋は仕方なしに、そのまま仕事をしておりますと、
「お前、こいつ変な機械を持っているな、と思ったな?」
「これはジンバルといってスタビライザーの一種だ」
「このサイズはご覧の通りミラーレス一眼のカメラまで(略
「ブラシレスモーターによる駆動で手軽に安定した滑らかな(略
「従来の二軸に、パンの動きが加わった三軸で(略
「このくらい広角だと自撮りした時の画角が丁度(略
山父は桶屋の疑問について、いちいち詳しい解説を始めました。そして少し飽きてきたな、と思ったあたりで、不意に手が滑って竹の端が前に走り、山父の腕をパチンと打ちました。
山父はこれには驚いて、
「人間とは時々思っていないことをするから怖い。あ、でも映像の乱はさほどでも無いな。撮れ高という面でもジンバルは有効か、これはVLOGのネタになりそうだ」
とぶつぶつ言うと、山の方に去って行きました。