量子生物学がなぜ注目に値するのか(そしてなぜ僕が興味を持っているのか)というと、まず第一に、これまで量子的な状況は極低温(絶対零度付近)でしか起きないと考えられていたけど、生物の体温でも起きてると考えられること。それどころか生命活動には量子力学を使わないと説明できないことが非常に多いことがわかってきたこと。たとえば光合成や渡鳥の習性など。で、人工知能研究者として、人工生命を研究している僕としては、そもそも「生命とは何か(その先の知能とは何か)」というのは中心的なテーマであり、量子力学の提唱者であるシュレディンガーは生命現象は量子的な現象かもしれないと1920年に指摘している。